何故 DACのブロックがオーディオシステムの中で重要な位置を占めるのか。
それは 「 デジタル − アナログのトランスデューサ(変換器) 」 だからと考えます
変換する時が 一番 癖(個性) が出やすいのです。
ヘッドフォンやSP がわかりやすい例です。 電気エネルギーを音響エネルギーに変える仕事は かなり明確な 個性を出していることを 皆さんご存じと思います。 自然界に存在しない形(デジタル情報)を
元のアナログ情報に戻すのが DACの仕事です。 つまり、DAC も音の傾向を左右する大きな要素なのです。
Mi-Takeで提供している基板の DACチップは BurrBrown(BB)製 を使用しています。 Audio用DACメーカには BB以外にも
CirrusLogic, Wolfson 等がありますが BBは所謂、真空管で言うところの Western Electric (老舗ブランド) ・・・ だと 勝手に思い込んでいます。 BurrBrown弄ばずして DAC語るなかれ。 かな
BurrBrownは色んなDACチップを製品化していますが、中でも PCM179xファミリは、最高クラスの性能を持つ DACチップです。 さらにその中から、電流⇔電圧変換部
を外に出した 1792/1794/1796/1798 を使用しています。 ここに お好みのオペアンプを使用して 好みの音に仕上げようという狙いです。 標準は、OPA2604とNE5532を使用しています。
PCM1792/1794/1796/1798 基板例
PCM1791/1793/1795 基板例
BurrBrown No.1、No.2、 ・ ・ ・ の PCM179x DAC を使ってみませんか
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PCM179x ファミリ概要
・ ハードモード:動作設定を ハード(SWやジャンパー等)で 行うモード
・ ソフト モード:動作設定を ソフト(マイコン制御等)で 行うモード
* PCM1792/1794のS/Nは、IV変換回路が4.5V出力タイプ時です
さらに、1792/1794/1796/1798のDACチップはモノラル動作を可能としており、
その場合 出力をパラレル接続する事により、S/Nが 3dB改善されます。
PCM1792 x2 基板の例
★ モノラル動作とは こちら
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ソフトモードでは、以下の設定可能項目が増えます
(User-Programmable Mode Controls)
(1) Digital Attenuation: 0 dB to 120 dB, 0.5 dB/Step
(2) Digital De-Emphasis
(3) Digital Filter Rolloff: Sharp or Slow
(4) Soft Mute
(5) Zero Flag for Each Output |
お断り : (2)(3)(5)は Mi-Tkaeの制御基板では制御していません
◇◆ Mi-Takeでは ハード/ソフトどちらのモードの基板も用意しています ◆◇
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独断と偏見の 「電圧出力モデルと電流出力モデルの比較」
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特徴. 1 |
特徴. 2 |
特徴. 3 |
特徴. 4 |
電圧信号 |
出力が電圧の変化で得られる |
特に変換は不要でアンプに出力可能 |
外乱ノイズに対して電流信号より敏感 (弱い) |
電圧変換素子が内蔵されている |
電流信号 |
出力が電流の変化で得られる |
電圧に変換しないと、アンプにつなげない |
外乱ノイズに対して電圧信号より鈍感 (強い) |
電圧変換を外で行うので 好みの音作りが可能 かも |
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< ハードモードDACキット >
< ソフトモードDACキット >
< DAC index >
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DAI と DAC
さて、一口に DACといっていますが、どの部分をもってDACと呼ぶのかとりあえず定義が必要です。
mi-takeのホームページで紹介されるDAC群は下記概念で構成されています。
DAC基板キットと呼んでいるのは、下記の点線内の機能を盛り込んだ
基板のセットを呼んでいますが、場合によっては DAI基板を含まない
場合や、制御基板を含む場合等ありますので、出品内容を良くご確認
頂きますようお願いいたします。
・DIX921 及び PCM1791/1792/1795/1796は、ソフトモードのICですので
AVRマイコン(tiny461、Mega8)で 初期設定や、動作モードが制御可能です。
ソフトモードでのメリットは、
・DAI : 入力信号のサンプリング周波数を細かく表示可能です。 (例はこちら)
・DAC : 0〜120dBのATT制御が可能です。 これは 20bit相当の分解能ですが
ソースが 通常のCD音楽(16bit)の場合、ATT操作による ビット落ちが
とても少ない(考慮が不要?)高音質な音量調整を可能としてます。
さて:
現在得られる素材(IC等)を考えると、DAI と DAC の2つに分けて考えるのが手頃なレベルである、と思っています。 これも分解を始めるとキリがありませんので、ここで上のブロック図を前提とします。
現在の音楽音源の代表格である、CDPやUSB Audioからは、一般的に SPDIF と呼ばれるデジタル信号が得られます。 最近のホームシアター系の機器では、DTS5.1chやPCM5.1chサラウンド等々
豊富なデジタル信号の種類がありますが、ここではそれらの信号系は対象としません。 あえていうなら リニアPCM2.0ch に対応、シンプルに音楽を
楽しもうというケースです。 SPDIFは、一本の同軸ケーブルか光ケーブルで信号を伝達しますので、Lch/Rchのデジタル信号2ch分と、ワードクロックが重畳された形で一本のケーブルに出力されます。
SPDIFのこの信号構成によって、ジッター(デジタルクロック信号の揺らぎ)の悪化によって再生信号のクォリティを落としてしまう という指摘もありますが、ここでは
「重箱の隅的 課題」 として 突っつくのは止めておきます。 一般的で 且つ使いやすい SPDIF信号を前提に DAI-DAC のクォリティアップを考えていきます。 SPDIFは、民生用機器向けの規格で、プロ向けの同様規格としてAES/EBUという規格もあります。
参考:SPDIF/AES の規格
DAIの基板例
SPDIFの信号を、音源データと再生用の同期クロックに分離・生成する仕事を受け持つのが 「DAI 」の仕事になります。 ここで生成された信号は一般的に、PCMデータと呼ばれます。 PCMデータフォーマットは、右詰(RightJustifiedまたはSTD)、I2S、左詰(LeftJustified)等の形式がありますが、これは過去のDAC技術の発展過程で各社の都合によって制定されたものであり、特にどれかの形式に音楽再生上の有意差があるということはありません。 組み合わせるDACの都合で選択します。 PCM179x
ファミリをDACに使用する場合、PCMの信号線は4本で構成され DATA、CHSL、BCK、SCK です。
DATA: LchとRchのデジタル信号が交互に入っています。
16bit〜24bitのデータで構成されるのが一般的です。
CHSL: 上記DATAは、LchとRchのデータが交互に入ってますので、
それがどちらであるかを示すための信号。
BCK: 上記データの同期クロック
SCK: 高度な変換処理(デジタルファイルター等)用の高速クロック。
128Fs〜256Fs位が使われることが多い様です。
「DAI」で生成された、PCMデータから「DAC」でアナログ信号に変換します。 DAC内部でどんな細かい仕事がなされているかはここでは取り上げません。 δ-Σ変換 や デジタルフィルタ等 の技術内容は泥沼です。 嵌らないよう、ここはブラックボックスとしておきましょう。
ともあれ、デジタル信号がアナログ信号に変わりました。 変えられる信号の種類にDACによって2種類あります。 出力のタイプが、「電圧信号」 なのか 「電流信号」なのか ということです。
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DAIという呼び名以外に、DIR:Digital Interface Reciverという呼び方もあります |
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使用しているDACのチップは、PCM1792/1794/1796/1798 ですが、これらICは電流出力型の差動出力となっており、S/N比を稼ぐのに都合良い回路となっています。
また、外付けでI/V変換しますので この部分に お好みのオペアンプを使用することにより 音作りが可能になります。
ICの例:BB PCM1794 2個
さて、電流出力を電圧出力に変換しないといけないのですが、この部分をIV変換回路といいますが、定石通り オペアンプを使った変換回路を実装しています。 PCM1792/1794版の基板には、OPA2604(FET構成)を使用し、PCM1796/1798版には
BBのアプリケーションノートで紹介されている、NE5534のDual版であるNE5532 を使用しています。
PCM1794 output current
ここで、少し具体的に回路を見てみましょう。 DACのICから出てくる 電流出力は、差動で出力されますので Hot/Cold の2つの出力が出てきます。
これをそれぞれ IV変換しますが この時の出力電圧は、プラス側だけの出力(オフセットがついた状態)になります。 理由は、DACの電源が+5Vの単一電源だからマイナス側は出力出来ないということです。 ですから IV変換のオペアンプは常に (15V/2
÷ 820Ω) x 15V/2 の負荷を駆動している状態に近くなりますので 発熱することになります。(但し駆動電流のゼロ点に依存します。PCM1792/1794ではBPZ時
6.2mAx820Ω)。 ある程度パッケージ損失を考慮してオペアンプを選択する必要がありますので、パッケージの温度上昇を確認して使用します。 (温度上昇についてはここを参照)
I/V変換回路例
2組のオペアンプによって、IV変換された差動出力(バランス出力)を アンバランス出力に変える回路が 3個目のオペアンプの役目です。 この回路によってゼロ点のオフセットがGNDに固定されますので、出力にはカップリングコンデンサは不要となります。 また、LPF回路も構成されているので、余計な高周波ノイズも取り除かれます。
PCM1794の場合、電流出力が7.8mApp ありますから (7.8mApp×820Ω)/1.414=4.52VRMS の出力が得られます。
さて、今度は少し具体的に DAI/DACそれぞれの基板を見ながら、動作させるための接続方法について見ていきます。基板には、入出力端子や電源コネクタ、設定用ヘッダーピンなどがたくさんあり少し複雑そうですが、最低限の動作をさせるには、設定ピンは出荷状態のままでOKです。 ここではBasicコースとして基本形を説明します。
<DAI基板>
CS8416を使った基板例
電源: +5Vを同梱ケーブルを使ってCN103につなぎます。
このとき使用するケーブルは2芯コネクタの付いた短めを使います。
SPDIF入力: CN101のP0と書かれた位置に、2Pケーブルで接続します。
ケーブルは同梱されていませんが、PCショップなどで2ピンオーディオケーブル
として販売されているモノが使用出来ます。
PCM出力:CN102に同梱されている 5芯のケーブルを接続します。
挿入方向は、青ケーブル(1本だけ色違い)側を、基板のシルク太い側に合わせます。
でDAI、接続準備終わり。
<DAC基板>
PCM1794を使った基板例
電源(1): +5Vを同梱ケーブルを使ってCN903につなぎます。
既に、上でDAIに挿入されているケーブルのもう一方です。
電源(2): +5Vを同梱ケーブルの長めを使ってCN904につなぎ反対側を電源基板つつなぎます。
電源(3): ±15V(12V)を同梱されている3芯ケーブルをつかってCN901に接続します。
反対側を電源基板につなぎます。
PCM入力:CN201に同梱されている 5芯のケーブルを接続します。
挿入方向は、青ケーブル(1本だけ色違い)側を、基板のシルク太い側に合わせます。
既に、上でDAIに挿入されているケーブルのもう一方です。
アナログ出力: CN202に4Pケーブルを接続します。 PCショップなどで4ピンオーディオケーブル
として販売されているモノが使用出来ます。
でDAC、接続準備終わり、となります。
◆動作確認
DAI/DACの基板は、デジタルジェネレータ DG-2432A を使用し動作確認後、出荷されます。
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DG-2332A/ KENWOOD 概要
・EIAJ CP-1201フォーマットに準拠
・出力端子 同軸(COAX)端子、 光端子(2系統)
・サンプリング周波数;96kHz、48kHz、44.1kHz、32kHz
・内蔵テストパターン:100種類
・ストパターンはRS-232Cにて書き換え可能 |
ユーザの方の、動作確認方法は 次の2つがお勧めです。
(1)PC + USB Audio基板(SPDIF) :
・Freeのテスト信号発生ソフト WaveGeneを使うのが手軽です。
・WaveGeneで検索すれば作者のページが見つかります。
(2)ATAPIコントローラ + CDドライブ(SPDIF):
・録音済みのテストCDをお持ちであればそれを再生します。
・現在手に入るチェックCDとしてはデンオン・オーディオ・チェックCDがあります。
AMAZONでも扱いがあるようです。
さて、PCM1794とかPCM1798はメーカ製でいうと どのクラスのCDPにつまれているか
ちょっと調べて見ました。
メーカー製の場合、ソフト制御版の PCM1796が使用されているケースが多い様です。
・PCM1796 (ソフト制御版): アキュフェーズ DP-510 (¥451k) パラレルで6個使用
・PCM1796 (ソフト制御版): CEC LT51XR (¥162k) 2個使用
・PCM1796 (ソフト制御版): Rro-Ject CD BoxSE (¥120k) 1個使用
・PCM1794 : TDA TDA-D600 (¥2,625k) 2個使用
・PCM1794 : ATOLL CD200 (¥252k) 1個使用
BBの主要なDACレパートリとスペック概要です。
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