BGA (ベース接地アンプ) CM (カレントミラー) 回路 対応 の 検討 |
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MJ誌に、DACの差動電流変換回路に、BGA+CM 回路 で シングル電流出力に変換する回路を使った DAC記事(*) が 掲載されてますので、関連のお問い合わせが増えています。
Mi-Takeで扱っているDAC基板には、DACの差動電流出力を そのまま出力するタイプの基板がありますので、 BGA/CM回路を、検証してみるには都合が良さそうです。 差動電流出力のDAC基板 CS8416とPCM1794の例 CS8416とPCM1798の例 これらのDAC基板は、IV変換基板と組み合わせて使う事を 前提としていますが、差動電流出力がそのまま端子に出て ますので、BGA・CM回路と組み合わせて見るには都合が 良いのです。 上記基板の回路例 |
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さて、上記の基板が標準的に接続する事を想定しているのは オペアンプを 片ch 3個使った IV変換基板です。 この回路の特性を LTSpice を 使って確認してみましょう。 ・BGA/CM回路と、上記IV基板を改造して シングル分のみ使う回路にした場合の 想定シミュレーション BGA/CMは、簡単に作れるので手持ちの トランジスタ・ダイオード 「c1815/a1015+n4148 」 で作って 早速 試聴 (IV基板は、OPA604タイプの基板をちょこっと改造でOK)。 使用したトランジスタが 今一だったか ? ・ ・ ・ OPA604 x6 のノーマルIV基板に軍配が上がるような。 ( 指定の c2240/a970/s1588も 結構汎用品だったりするのだが ) ディスクリートDCアンプを組まないと BGA/CMは 御利益無いのかも、ね。 では、ということで BGA/CMに トランスをぶら下げる シミュレーション ( トランスのデータは、PPトランスの2巻分を 1次:2次として使用 ) いけそうなので、TK20で 早速試聴。 DACに直結した TK20の方が無難。 ということで、BGA/CM 遊べるけど 、 ? ・ ・ ・ |
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BGA&CM回路の CMRは ・ ・ ・ 悪い ? |
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BGA回路では、「平衡-不平衡 変換」を行っているわけですが 同相除去比 (CMR) はどうなっているのでしょうか。 もし、同相除去比が取れてない場合は、S/Nレシオの確保もさることながら [合成波形の精度] 劣化が 懸念されるわけです。 「平衡-不平衡」 変換回路の精度の確認は、+(Hot)側と、-(Cold)側に 同じ信号を入れることで簡単に確認出来ます。 バランス精度が良ければ、同相を入力した場合、出力には何も出てきません。 逆相で入れた場合と 同相で入れた場合の差が、 CMR値 ともいえます。 ◆ まずは、オペアンプを使った 通常の IV+平衡・不平衡変換方式を確認してみましょう。 ・ 3.9mA逆相を それぞれ IV変換した後、平衡−不平衡変換を行っています。 ・ 出力には、約6.3Vp の出力が得られています。 ◆ 次は、上記回路で入力を同相にした場合です。 ・ 3.9mA同相を それぞれ IV変換した後、平衡−不平衡変換を行っています。 ・ 出力には、約16nVp(−9乗)の出力がでています。 (理想的には ゼロです) つまり、CMRは -171dBとなります。 (シミュレーション上の理論値です) まったく問題無しといえます。 ◆ 今度は、BGA&CM回路を使いIV変換した場合を確認してみましょう。 ・ 3.9mA逆相を BGA&CMで合成したのち IV変換を行っています。 ・ 出力には、約6.3Vpの出力が得られています。 ここまでは、オペアンプの場合と全く同じです(あたりまえ) ◆ 次は、上記回路で入力を同相にした場合です。 ・ 3.9mA同相を BGA&CMで合成したのちIV変換を行っています。 ・ 出力には、約25mVp(−3乗)の出力が出ています。 (理想的には ゼロです) ・ また波形も、あまり美しくありません。 綺麗に打ち消し合っていないようです、 CMRは -48dB しかとれません。 かなり低い値です。 (シミュレーション上の理論値です) ・BGA&CM回路は シンプルな回路ですが、+(Hot)側と、-(Cold)側の経路は 形態が異なる (対称ではない) ので やむを得ないでしょう。 う〜む、 あくまでも シミュレーションでの結果ではありますが 想定内の結果です。 しかし、使って見て 「これは・音が良いぞ」 と 思えるなら、それも良し ・ ・ ・ です。 |
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