電源回路で LTSpice を使う |
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まずは定番の リップルフィルター の例から リップルの少ない 3.3V-15V程度の電源が欲しい場合、通常3端子レギュレータICをつかいます。 マイナス電源のタイプも含めいろいろなバリエーションの性能のものが容易に手に入ります。 オーディオの世界では、3端子レギュレータでは満足できす ディスクリートで構成する例も見受けられますが、まそこまでしなくてもと、手軽に3端子レギュレータを使用しています。 ところが、電源電圧が50V以上になってくると使用出来る3端子レギュレータが殆ど無くなります。 レギュレータICに下駄を履かせて、高電圧に対応する応用例もありますが、ここではリップルを減らせれば良いというケース向けに、お手軽な高耐圧リップルフィルターを検討してみました。 |
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回路例 MOS-FETを使用した DC200Vクラスのリップルフィルター回路です。 FQPF3N90(900V2A) を使用することを想定していますが パラメータは STW11NM80(800V)で代用しています。 負荷は2KΩですので 100mAぐらい流していることになります。 入・出力端子 澄色:入力 DC220V+AC10V(100Hz) 緑色:出力 出力に殆ど、リップル波形は見受けられません。 残留リップル リップルだけ取り出して拡大してみると、 リップル10V入力で10mV位ですから 60dBほど抑圧している事が分かります 負荷電流特性 下図・左側の様に負荷電流を 50mAから800mA(4KΩ〜250Ω)に 変えて安定度を見てた例です。 ON抵抗が少ないので ドロップ 電圧の変化が少ないため 出力電圧は安定しています。 (但し、入力電圧は一の場合定です。 実際はトランスのレギュレーション等で 変化しますので出力電圧は安定ではありません) |
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参考:整流回路のリップル例 上記シミュレーションでは、AC10Vのリップルを重畳させていますが、根拠は 下記の整流回路(両波整流+47uF) に負荷2KΩとしたときのものです。 AC220V 50Hz 両波整流 (220Vpp) < Menu > |
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さて、次は DC-DC コンバータ の例です。 |
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アナログ信号を扱う場合、オペアンプ用などに手軽な±電源があると便利です。 しかし、いざ作るとなると 電源トランスやら整流回路やら安定化回路やらと 必要な材料も多く結構手間と費用がかかります。 またトランスをつかう場合、1次側にAC100Vの回路を含むため 感電防止や発火防止のための安全知識も必要になります。 出来合のACアダプタが使えると 1次側の縛りから解放されますのでお手軽です。 今回 ACアダプタから ±電源を作って見ます。 単一電源から、±電源を得る方法としては 「バーチャルグランドを作る」 という方法もありますが、±の電圧は、1/2となるため 今回は見送ります。 制御用のICは、LTSpiceを無償で提供してくれている リニアテクノロジ社のLT1054という電源用ICを使用しました。 LT1054は、LTSpiceのライブラリに含まれていますので簡単にシミュレーションができます。 |
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LT1054を電圧安定化モードで使います。 プラス側の電圧とマイナス電圧を揃えたいので、プラス側に3端子レギュレータを 入れることを考慮しこの場合、入力電圧=15Vとして、3Vのレギュレータマージンを取ると ±12Vが出力電圧の設定値となります。 (注)LT1054は出力を15V以下で安定化した場合入力電圧Maxは20VまでOKです。 負荷電流を変えた場合の電圧安定度を見てみました。 LT10541個使いの場合は、出力電圧100mAがMaxですがシミュレーションでは 400mA負荷相当(30Ω)まで負荷を変えてみました。 3端子レギュレータ並の安定度とはいえませんが、100mA以下であれば 安定度はそこそこあります。 (注)左右のグラフの色は一致しませんので注意 順番で対応します LT1054の電圧設定 (Datasheet参照) Datasheetに基づき、電圧設定の確認計算を行ったところ LTSpiceでの値とは若干異なるようです。 実測値は下記 計算結果とほぼ同じになります。 設定電圧は Vref に 依存しますので、 最大で 6.2% 程度 ばらつくようです。 最終回路案 プラス側は、3端子レギュレータで安定化します。 (ACアダプタのノイズの削減も期待) +5Vも出せるようにパターンを対応しています。 TL1054をパラレル運転すれば 200mAまで出力可能なので TL1054の増設も可能にします。 +5Vのレギュレータ部分に 配置しましたので200mA対応の場合は+5Vは搭載できません 基板例
LT1054 x1, x2 の場合の負荷VS電圧特性の 参考測定値です |
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